「早慶」は、日本の誰もが知っている有名な私立大学です。
では、早稲田大学と慶應義塾大学を、国立大学で置き換えたらどこの大学と同等なのでしょうか?
単純に偏差値だけでは決められませんが、マナビバが「早慶を国立大学で置き換えたらどこの大学と同等?」という質問にお答えします!
早稲田大学
早慶の難易度
まず、「早慶」がどれくらいの難易度か、見てみましょう。
<私立大学の難易度トップ10>
順位 | 偏差値 | 大学 | 都道府県 (主なキャンパス) |
---|---|---|---|
1 | 70 | 慶應義塾大学 | 東京 |
2 | 69 | 早稲田大学 | 東京 |
3 | 66 | 上智大学 | 東京 |
4 | 64 | 明治大学 | 東京 |
5 | 63 | 同志社大学 | 京都 |
5 | 63 | 立教大学 | 東京 |
5 | 63 | 国際基督教大学 | 東京 |
8 | 62 | 東京理科大学 | 東京 |
8 | 62 | 青山学院大学 | 東京 |
10 | 60 | 中央大学 | 東京 |
10 | 60 | 法政大学 | 東京 |
以上のランキングとなりました。
全学部の平均の偏差値が60に到達する大学は、一般的には難関大学と呼ばれます。
「早慶」の偏差値はほぼ70で、他の私立大学をかなり引き離しています。難関大学の中でも「早慶」は飛び抜けた存在です。
「早慶」で確実に合格を目指すには模擬試験で合格確実の安全圏であるA判定を取るくらいでなければ全く安心できません。
大まかな目安ですが、合格か不合格かの境目であるボーダーラインよりも大体5ポイント程度は上回っておけば合格圏といえます。
「早慶」は、どの学部も偏差値65~70の難易度です。そうなると、偏差値70くらいは模擬試験で出しておかないと合格確実とはなりません。
以上のように、私立大学の中でも特に難易度が高いのが「早慶」です。
国立大学の難易度
今度は国立大学の難易度を見てみましょう。
<国立大学の難易度トップ20>
順位 | 偏差値 | 大学名(主なキャンパス) |
---|---|---|
1位 | 70 | 東京大学 (東京) |
2位 | 69 | 京都大学 (京都) |
3位 | 67 | 東京工業大学 (東京) |
3位 | 67 | 一橋大学 (東京) |
5位 | 66 | 大阪大学 (大阪) |
6位 | 65 | 名古屋大学 (愛知) |
7位 | 64 | 神戸大学 (兵庫) |
7位 | 64 | 東北大学 (宮城) |
9位 | 63 | 北海道大学 (北海道) |
9位 | 62 | 東京外国語大学 (東京) |
11位 | 62 | 九州大学 (福岡) |
11位 | 62 | 大阪公立大学 (大阪) |
11位 | 62 | 筑波大学 (筑波) |
14位 | 61 | 横浜国立大学 (神奈川) |
14位 | 61 | 千葉大学 (千葉) |
15位 | 60 | 東京都立大学 (東京) |
17位 | 59 | 広島大学 (広島) |
17位 | 59 | お茶の水女子大学 (東京) |
17位 | 59 | 名古屋市立大学 (愛知) |
20位 | 58 | 電気通信大学 (東京) |
20位 | 58 | 岡山大学 (岡山) |
20位 | 58 | 金沢大学 (石川) |
以上が国立大学の難易度トップ20です。
国立大学は、偏差値だけを見れば確かに早慶より低めです。
しかし、5教科7科目で受験しなければならないため、幅広い学習が求められます。苦手科目があれば、その克服に時間を奪われます。できる限り効率よく受験勉強を進めないと合格は難しくなります。
さらに、二次試験の勉強も必要です。このように一次試験と二次試験という二段階の受験方式のため、私立大学とは違う別の受験対策の難しさが国立大学にはあります。
ズバリ早慶を国立大学で置き換えたら!?
上記のように私立大学と国立大学とでは試験方式が異なることがわかりました。
それを考慮した上で、ズバリ「早慶」と置き換えられそうな国立大学を挙げてみます。
- 神戸大学
- 筑波大学
- 千葉大学
- 横浜国立大学
- お茶の水女子大学
以上の5大学です。
<神戸大学>
神戸大学は、明治35年(1902年)に設立された神戸高等商業学校が前身です。 東京高等商業学校(現・一橋大学)に次いで官立では全国で二番目に歴史のある高等商業学校です。
神戸大学、一橋大学、大阪市立大学(現・大阪公立大学)の3校は「旧3商大」と呼ばれ、東京大学などの旧帝国大学に次いで格上の存在です。
この神戸大学に一橋大学、そして東京工業大学と7つの旧帝国大学を合わせて「七帝+一工神」という大学群で呼ばれるなど、神戸大学は難関大学として認知されています。
また関西圏では「京阪神」と呼ばれる京都大学、大阪大学、神戸大学がビッグ3の特別な扱いの大学になっています。
港町の神戸にキャンパスがあり、オシャレな大学としても知られています。
神戸大学
<筑波大学>
筑波大学の起源は、明治5年(1872年)にまでさかのぼります。日本で最初の教員養成所として創られた師範学校がその始まりです。1973年に東京教育大学がつくば市へ移転するのを契機に筑波大学に名称変更しました。
筑波大学は「学群制」を採用し、専門分野に偏りすぎないよう幅広く学べることが可能です。一般的な◯◯学部という枠組みではなく多角的な視点で学問に取り組める特徴があります。
またキャンパスは茨城県のつくば市にあり、緑が豊かで都会の大学とは全く違う学習環境です。そのため、都会の学生のように遊ぶ誘惑がありません。学問にみっちり打ち込める学習環境です。
筑波大学
<千葉大学>
千葉大学は昭和24年(1949年)に千葉医科大学など幾つもの学校を統合して誕生しました。
現在は学部の学生数が1万人に迫り、大学院生も3千人を数えます。またキャンパスは千葉市を中心に5ヶ所に分かれ、国立の総合大学としての規模は全国でも上位に入ります。
千葉大学は、関東圏で屈指の難関大学です。東京大学、一橋大学、東京工業大学は別格ですが、関東圏でそれらに続く大学という評価をされています。
学部としても法政経学部や園芸学部などの珍しい学部があり、千葉大学ならではの特色を打ち出しています。
千葉大学
<横浜国立大学>
横浜国立大学は、明治7年(1874年)に設けられた小学校教員養成所から始まりました。その後、横浜師範学校、神奈川県師範学校などに名称を変えながら、横浜の工業専門学校や経済専門学校などと統合して横浜国立大学になっています。
横浜国立大学には、日本を代表する環境研究所である「環境科学総合研究所」があり、環境問題について学ぶことができる施設が充実しています。
また都市に特化した研究ができる「都市科学部」があり、これからの時代に重要度が増す都市生活及び都市構造の進展について学ぶことが可能です。
さらに「経営学部」では様々な企業との連携を行い、現に経営を行っている人たちから経営について学ぶ実践的な機会が設けられています。
横浜国立大学は、関東圏では千葉大学と並んで現代の社会を研究できる大学として存在価値の高い大学です。
横浜国立大学
<お茶の水女子大学>
女性限定ではありますが、お茶の水女子大学も「早慶」に置き換えていいと考えられる大学です。国立の女子大学では国内最高峰です。
明治8年(1875年)に東京女子師範学校が開設されて以来、女子の教員養成と女子教育の普及を掲げ、一貫してこれを続け、現在に至っている名門校です。
少人数制による高度な専門教育が持ち味で、2011年度より多様で主体的な専門性の高い学びが構築できる「複数プログラム選択履修制度」をスタートさせています。
またグローバル化する現代社会の要請に応じて領域横断的な視野、変化に対応する判断力を養う「21世紀型文理融合リベラルアーツ」を設けるなど、常に時代の先端を進む女性の教育を実践しています。
さらに、2020年には「多様性を包摂する女子大学と社会」の実現のため、トランスジェンダー学生の受け入れを開始しています。
お茶の水女子大学
私立大学と国立大学の違いは?
「早慶」に代表される私立大学と、上記の神戸大学などのような国立大学とでは、異なる面が幾つかあります。その中で、特にココが違う、という所を見ていきます。
<私立大学は受験科目数が少ない>
私立大学と国立大学とで最も決定的に違うのは、入試における科目の数です。
私立大学は科目数が少ないです。
科目数が少ないからラクかというと、必ずしもそうとは限りません。3科目とも高得点が求められ、もし1科目でも失敗してしまうと、もう他の科目で挽回するのは難しいです。
これを考えると、「私立大学と国立大学とで、どちらの難易度が高いのか?」については、苦手科目がどれだけあるか、それを克服できるかによって、その人にとっての難易度は大きく変わる、という受け止め方が妥当になります。
基本的に3科目で取り組みたい人は「早慶」などの私立大学を受験するのがオススメです。その一方で、文系だけど数学が得意、理科も対応は充分に可能、という人なら国立大学の方が受かりやすいと感じることもあります。
<国立大学は6教科8科目に>
入試科目の少ない私立大学に対して、国立大学の場合は共通テストと二次試験を含めると5教科7科目の大学が大半です。ここに、2025年からは新たに「情報」が加わって6教科8科目になります。
試験の科目が多いということは、全教科ある程度できていれば1科目にかかる負担が軽く、全教科を万遍なくこなせるような受験生にとっては国立大学のほうが安全な試験ということになります。
単に偏差値だけで判断するなら、「早慶」より明らかに上と言える国立大学は東京大学と京都大学の2校しかありません。
共通テストで必要とされる平均の得点率が9割近くで、なおかつ二次試験でも難易度の高い試験問題をクリアしないと東京大学と京都大学には合格できません。
それ以外の国立大学で、偏差値だけでなく5教科7科目(2025年から6教科8科目)を勉強した合計でかなりの高い点数が必要な大学、となると限られてきます。
「早慶」と同レベルの国立大学は、旧帝国大学に匹敵する神戸大学、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学、お茶の水女子大学、あたりが該当します。また、文型では一橋大学、理系では東京工業大学、も当てはまります。
<推薦枠や内部進学の人数が違う>
その反対に、「早慶」より入りやすい国立大学は、地方にある国立大学です。もちろん、学部によっては「早慶」の学部学科と同じような難易度のところもあります。
それでも、基本的には「早慶」に合格する学力があれば地方にある国立大学は十分に合格できる可能性が高いと言えます。
ただ、「早慶」は内部生、指定校推薦枠、AO入試などで入学する学生が多く、そういう学生のレベルは必ずしも高いと言えない面があります。さらに「早慶」の文系学部の中には、数学が全くできないような人もいます。
慶應義塾大学
まとめ
今回は、「早稲田大学と慶應義塾大学を、国立大学で置き換えたらどこの大学と同等なのか?」についてまとめていきました。
難易度は、私立大学「早慶」が偏差値で上ですが、国立大学は5教科7科目など入試の科目数が違うため、そこを差し引いて考えたところ、
- 神戸大学
- 筑波大学
- 千葉大学
- 横浜国立大学
- お茶の水女子大学
の5大学が大体は近いだろうという結論となりました。
私立大学の「早慶」は多くの受験生の憧れであり、私立大学では最難関の大学のため、3科目の試験で全て高得点が必要です。しかも入試問題のレベルも高く、簡単には合格できません。
「早慶」も難関国立大学も、どちらにしてもその大学に合わせた対策が大事です。早めに目標校を絞り、受験勉強を進めていきましょう。
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