北海道最難関の国公立大学であり、旧帝国大学の一角を担う北海道大学の医学部に焦点を当てて、偏差値や入試難易度、特徴などをお伝えしたいと思います。
北海道大学は通称【北大】と呼ばれ、北海道内の進学校の学生たちの憧れの対象であり、とても親しまれている難関大学です。
医学部の偏差値・入試難易度
学部|学科・専攻・その他 | 日程方式名 | 共テ 得点率 | 偏差値 |
---|---|---|---|
総合入試理系|数学重点 | 前期 | 77% | 58 |
総合入試理系|物理重点 | 前期 | 77% | 58 |
総合入試理系|化学重点 | 前期 | 78% | 58 |
総合入試理系|生物重点 | 前期 | 78% | 58 |
総合入試理系|総合科学 | 前期 | 78% | 58 |
医|医 | 前期 | 86% | 65 |
医|保健-看護学 | 前期 | 69% | 50 |
医|保健-放射線技術科学 | 前期 | 74% | 55 |
医|保健-検査技術科学 | 前期 | 76% | 55 |
医|保健-理学療法学 | 前期 | 71% | 55 |
医|保健-作業療法学 | 前期 | 68% | 53 |
医学部の偏差値は50〜65:共通テスト得点率は71%〜86%です。
この難易度は北大の中では医学部は最も高い偏差値であると言えます。
総合入試(理系)では,受験生の選択肢を増やすために,5つの選択群(数学重点,物理重点,化学重点,生物重点,総合科学)を設けています。選択群ごとに,理科の科目と数学の配点に特色をもたせていますので,受験生の得意とする科目を活かした受験が可能です。
すでに「将来学びたい学部がはっきりと決まっている学生」のためには,従来通りの「学部別入試」を設けています。受験生のみなさんの状況に応じた入試方法で受験してください。
- 1位:医学部 共テ得点率 68%~86% 偏差値 50~65
- 2位:獣医学部 共テ得点率 77%~88% 偏差値 58~65
- 3位:文学部 共テ得点率 78%~83% 偏差値 63
- 4位:教育学部 共テ得点率 78%~81% 偏差値 60~62
- 4位:法学部 共テ得点率 77%~81% 偏差値 60~62
- 4位:経済学部 共テ得点率 78%~79% 偏差値 60~62
- 4位:薬学部 共テ得点率 77%~82% 偏差値 58~62
- 4位:理学部 共テ得点率 77%~83% 偏差値 57~62
- 4位:農学部 共テ得点率 77%~84% 偏差値 58~62
- 5位:工学部 共テ得点率 77%~85% 偏差値 57~60
- 6位:歯学部 共テ得点率 75%~78% 偏差値 55~58
- 7位:水産学部 共テ得点率 73%~78% 偏差値 55~57
受験科目・配点
共通テスト | 5~6教科8科目 【国語】国語 【数学】数IA必須,数IIB・簿記*・情報*から1,計2科目 【理科】物基・化基・生基・地学基から2科目(備考参照) ※理科は、「基礎2科目」または「発展2科目」から選択 【外国語】英・独・仏・中・韓から1[リスニングを課す] 《地歴》世B・日B・地理Bから選択 《公民》「倫理・政経」 ●選択→地歴・公民から2科目 |
個別学力試験 | 学科試験なし 【小論文】 |
備考 | 共通テストは2021年実績 共テ…理科は基礎2科目指定だが、発展2科目でも基礎2科目とみなす 個別…小論文は高校等で学ぶ知識を前提として、人文科学を学ぶうえで必要な読解力、発想力、論述力をみる(出題文に英文を含む) 〈変〉総合問題→小論文 |
入試最低点
学部|学科 | 入試名 | 最低点/満点 |
---|---|---|
総合入試|理系:数学重点 | 前期 | 総:467.71/750 |
総合入試|理系:物理重点 | 前期 | 総:502.18/750 |
総合入試|理系:化学重点 | 前期 | 総:485.20/750 |
総合入試|理系:生物重点 | 前期 | 総:481.02/750 |
総合入試|理系:総合科学 | 前期 | 総:490.37/750 |
医|医 | 前期 | 総:634.94/825 |
医|看護学 | 前期 | 総:434.25/750 |
医|放射線技術科学 | 前期 | 総:467.41/750 |
医|検査技術科学 | 前期 | 総:441.91/750 |
医|理学療法学 | 前期 | 総:461.16/750 |
医|作業療法学 | 前期 | 総:452.31/750 |
医|検査技術科学 | 後期 | 総:511.75/650 |
倍率
学部|学科 | 入試名 | 倍率 (2020) | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者 (総数) | 合格者 (現役%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
総合入試|理系 | 国際総合 | 1.7 | 10 | 17 | 17 | 10 | 非公開 |
総合入試|理系 数学重視 | 前期日程 | 2.9 | 129 | 404 | 391 | 133 | 68% |
総合入試|理系 物理重視 | 前期日程 | 2.7 | 233 | 659 | 642 | 239 | 58% |
総合入試|理系 化学重視 | 前期日程 | 2.6 | 233 | 644 | 622 | 243 | 60% |
総合入試|理系 生物重視 | 前期日程 | 2.4 | 175 | 450 | 435 | 179 | 67% |
総合入試|理系 総合科学選抜 | 前期日程 | 2.1 | 247 | 531 | 520 | 253 | 66% |
医学部 | 一般入試合計 | 3.6 | 257 | 991 | 297 | 65% | |
医学部 | AO入試合計 | 3.1 | 16 | 34 | 34 | 11 | |
医学部|医学科 | 前期日程 | 3.4 | 97 | 366 | 347 | 102 | 64% |
医学部|保健学科〈看護学専攻〉 | 前期日程 | 2.2 | 60 | 144 | 135 | 62 | 74% |
医学部|保健学科〈看護学専攻〉 | セ試課すAO | 3.1 | 7 | 22 | 22 | 7 | |
医学部|保健学科〈放射線技術科学専攻〉 | 前期日程 | 3.7 | 28 | 114 | 108 | 29 | 66% |
医学部|保健学科〈放射線技術科学専攻〉 | 後期日程 | 7.9 | 7 | 79 | 10 | 60% | |
医学部|保健学科〈検査技術科学専攻〉 | 前期日程 | 6.7 | 7 | 87 | 13 | 54% | |
医学部|保健学科〈理学療法学専攻〉 | 後期日程 | 2.6 | 13 | 39 | 37 | 14 | 21% |
医学部|保健学科〈理学療法学専攻〉 | 前期日程 | 4.0 | 4 | 28 | 7 | 43 | |
医学部|保健学科〈作業療法学専攻> | 後期日程 | 2.2 | 13 | 34 | 31 | 14 | 64% |
医学部|保健学科〈作業療法学専攻〉 | セ試課すAO | 1.8 | 4 | 7 | 7 | 4 |
基本概要・特徴
北海道大学の医学部は2学科6領域を学べます。
医学科
6年間の学修は、4コースを段階的に進級する。
1年次は、医学教養コースで総合教育部に配属され、他の理系学部の学生と一緒のクラスで多くの教養科目をともに学習する。幅広い視野と豊かな人間関係を育み、医学徒であるための土台をつくる。
2年次1学期〜3年次1学期は、基礎医学コースで人体の正常な構造と機能を学び(解剖学、画像診断学、生理学)、生命現象を分子・遺伝子レベルから理解する(生化学、薬理学)。
3年次2学期〜4年次1学期は、臨床医学コースで疾病を多面的に把握し、内科学、外科学、専門医学などの臨床医学の基本を学ぶ。また、医学研究演習を1か月行い、学生は研究室に配属され、将来の基礎医学研究者や研究医となるための素養を磨く。
4年次2学期〜6年次は、臨床実習コースで毎日、病院という臨床の現場で患者と医療スタッフに接しながら、これまで各コースで学んできたことを具体的かつ実践的に身につける。
保健学科
5専攻において専門的な技術を身につけ、指導的な立場で活躍できる医療技術者を養成する。
- 看護学専攻・・・社会の多様なニーズに対応できる看護実践能力と国際的視野を持つ看護師を養成する。
- 放射線技術科学専攻・・・X線CTやMRIなどにより患者の診断に必要な生体情報を得たり、放射線を利用した高度な治療を行ったりする医療における放射線技術の専門家を養成する。
- 検査技術科学専攻・・・病気の診断・治療・予防に必要な血液、尿、手術組織、心電図、脳波、超音波などの検査を行うための理論と技術を学ぶ。
- 理学療法学専攻・・・身体の機能低下がある人に、検査・測定、運動療法や物理療法を行い、家庭や社会への再適応を目指す理学療法を学ぶ。
- 作業療法学専攻・・・精神や身体に障がいのある人に対し、「作業」を用いてその人らしい生活の再獲得への援助を科学的に探究する。
理念
世界をリードする先進的医学研究を推進し、高い倫理観と豊かな人間性を有する医学研究者・医療人を育てることにより、人類の健康と福祉に貢献する。
教育目標と行動目標
教育目標
広範な医学知識、高い倫理観、豊かな人間性、国際的視野を備え、医学の進歩と医療の実践・発展に寄与する医師・医学研究者を養成する。
行動目標
- 医師・医学研究者として活躍するための基礎をなす医学知識・技術を身につける。
- 生涯にわたり自ら学ぶ習慣と態度を身につける。
- 科学的な思考・判断能力と探究心に基づく創造性を養う。
- 医師・医学研究者に要求される高い倫理観と豊かな人間性を培う。
- 国際交流の重要性を理解し、それに必要な語学力、医学知識、教養を身につける。
- 医療におけるチームワークの重要性とその中での医師の役割を理解する。
内容は以下の通りです。
医学部に入学してから卒業までの6年は、つぎの1~4コースに分けられます。
医学部での学習は一般的な広い視野の獲得から、専門性へと収斂していきます。
各コースの学習内容はつぎのようになります。
医学教養コース
医学は自然科学の一分野ですが、医師には多様な価値観を持つ患者さんやその家族と向かい合う幅広い人間性と豊かな人間愛が求められます。これは「医学は文系である」ともいわれる所以でもあります。
入学してからの1年は、総合教育部に配属されます。他の理系学部の学生と一緒に多くの教養科目を共に学習することで、幅広い視野と豊かな人間関係を育むなど、人間性を磨き、生涯医学徒であるための土台をつくる大切な時期です。
基礎医学コース
病気は正常の変化したものと捉えられ、病気の理解は正常の理解に支えられます。
このコースは、2年次1学期から3年次1学期までの1年半に及びます。まず、人体の正常な構造と機能を学び(解剖学、組織学、画像診断学、生理学)、生命現象を分子・遺伝子レベルから理解します(生化学、薬理学)。また、正常から病気に至る基本的プロセスを学びます(微生物学、免疫学、病理学、基礎応用腫瘍学)。
臨床医学コース
ここでは、様々な疾病について勉強します。
疾病を多面的に把握し、内科学、外科学、専門医学などの臨床医学の基本を学びます。
患者さんを感情のある人間として理解したうえで、その病態、病状検査所見、診断、治療の基本を身につけます。これは次のコースで、実際の患者さんに接する「臨床実習」においてとても大事なステップになります。
臨床医学コースでは、医学研究の入門となる医学研究演習を1カ月行います。ここでは、学生が研究室に配属され、実験の方法や考え方を学ぶことで、将来の基礎医学研究者や研究医となるための素養を磨きます。
臨床実習コース
このコースでは、臨床実習が開始されます。
4年次の2学期からは北大病院で診療科を回り、病院という臨床の現場で患者さんと医療スタッフに接しながら、これまで各コースで学んできたことを具体的かつ実践的に身につけていきます。この実習と並行して、実習で認識した課題や疑問点について、臨床統合講義で振り返り、総合的な診療能力の基本を幅広く学びます。社会医学の実習も、この時期に行います。
続く5年次2学期の6カ月間は、大学病院や学外の医療機関で4週間にわたる長期の診療参加型コア科臨床実習を6回行います。
6年次1学期には、一つの診療科や教室あたり4週間にわたる長期の診療参加型選択科臨床実習を3回行います。
主な就職先
- 北海道大学病院
- KKR札幌医療センター
- 手稲渓仁会病院
- 旭川医科大学病院
- 札幌医科大学付属病院
- 東邦大学医療センター大橋病院
- 北海道対がん協会など。
まとめ
北海道大学の医学部の偏差値は、北大の中では、最も高い難易度偏差値と言えます。
しかし、その難関をくぐり抜けてでも入る価値があるほど恵まれた環境・立地・教育体制が構築されており、留学生の多さや、交換留学で行けるキャンパスも非常に多いのも魅力の1つと言えると思います。
北海道で医師国家試験に合格するためには、北大の医学部の他には、2つしか選択肢はありませんので紹介します。
住所 | 〒060-0810 北海道札幌市北区北10条西7丁目 |
アクセス | JR札幌駅から徒歩12分 地下鉄南北線〈北12条駅〉から徒歩5分 |
連絡先 | TEL: 011-706-3060 庶務担当 |
生徒数 | 医学部:1,125名 |