田舎の大学に行ってみたいけど、実際に一人で生活して困ったりすることはないのだろうか!?
都会で生きてきた高校生には、田舎暮らしは未知の世界です。
では、田舎の大学に行った先輩たちは、どんな理由で進路を決めたのでしょうか。田舎の大学を選んだ理由と、田舎へ行く前に知っておいたほうがいいことを、マナビバが説明します!

田舎の大学を選ぶ理由3選
田舎の大学を選ぶ人たちは、どんな理由で選ぶのでしょうか。
- 騒がしい都会から離れたい
- 誘惑を遮断して学業に取り組める
- 安全な土地で生活できる
以上の3点が田舎の大学を選ぶ主な理由です。順に見ていきましょう。
<騒がしい都会から離れたい>
田舎に転居すると、まず「静かだ」と感じます。
都会では楽しい誘惑があり、気晴らしで流行に敏感な街並みを見る、というのが習慣化され、つい買い物してしまい、それが癖になってしまうような生活スタイルになりがちです。
都会の大学には、きらびやかな楽しい生活ができる反面、捉え方によっては騒がしい街や人々に囲まれての生活を強いられることになります。
地方の自然が豊かな田舎に来たら、首都の東京より物価は安く、食料品を調達するにもさほど困りません。ただし、山里離れた所となると、買い物に行くのは少々の不便さを伴います。
また、田舎のキャンパスライフという面では、東京や大阪などの都会を回避したいと思っている人同士が交流し、気持ちを理解できるので仲良くなれる可能性も高まります。
<誘惑を遮断して学業に取り組める>
田舎の大学に行くと、勉学に専念できるのも強みです。
都会では、誘惑が多くて勉学が疎かになる危惧も否定できません。
都会では、生活費を稼ぐためにアルバイトに時間を取られることがありがです。アルバイトをして社会経験を積むのは良いですが、勉強は学生の本分です。それを疎かにしてアルバイト漬けになるのはやり過ぎです。
幸か不幸か、田舎では都会ならではの誘惑がほとんどありません。気晴らしで流行に敏感な街並みを見るという習慣などなく、また流行の洋服をつい高い値段で買い物してしまう癖も付きにくいです。
生活スタイルが学校と下宿先とアルバイト先の往来が中心で、街の中で長時間を過ごすことがありません。その分、勉学に時間を使えます。
<安全な土地で生活できる>
田舎は、都会と比べれば安全です。
真似してはいけませんが、田舎では家のカギをかけずに外出しても大丈夫という地域もあります。都会でそのようなことなど危険でとてもできません。つまり、田舎のほうがずっと安全です。
家のカギは必要ですが、隣に誰が住んでいるかわからないような首都圏とは土地柄が違います。街ナカでのキャッチセールスでよくわからずに契約してしまった、などの知識不足や経験不足で大金を失うこともありません。
田舎へ行けば行くほど、ご近所さんから食べ物のおすそ分けの量も増える、と言っても言い過ぎではありません。学生寮があれば低価格で住み込めて、しかも全国から集まった学生と友人になれます。
その他では、交通量が少なく、交通事故に巻き込まれる危険度は都会より低いです。また昔からいる年配者も多いため、組織的な犯罪に遭う危険度も低めです。
それに対して、都会の生活には危険が伴います。事故や事件に巻き込まれやすいのも都会の特徴です。交通事故から泥棒まで、あらゆる危険から身を守らなければなりません。
その点で、田舎では犯罪の数は都会より少ないです。

釧路公立大学(北海道)
田舎でも費用はかかる?
田舎では、どれくらい生活費用がかかるのでしょうか。
<転居するには出費が必要>
まず、転居するのに引っ越し費用がかかります。これは、都会でも田舎でも、引っ越しするには多少の支出は免れません。
関西方面の人々などは、あまり馴染みがないかも知れませんが、全国の地域によっては入居の際に「礼金」というものがあります。「礼金」は、入居しますのでよろしくお願いします、という意味合いの挨拶のお金です。家賃1ヶ月分か、高いところでは2ヶ月分かかります。
転居で借りている部屋から出ていく時の部屋の修繕費などは「敷金」から引かれ、余った金額は返してもらえることになっています。しかし、「礼金」は返ってきません。
地域ごとの昔からの風習なので、なかなか「礼金」のシステムを撤廃できずにいる地域があります。「敷金」も1ヶ月分か2ヶ月分かも家主さんや不動産の店舗によって異なります。
その他に保証金や、現代の生活にほぼ必須の家電品などを買い揃えると、入居に伴う費用だけで家賃の5ヶ月分くらいはかかります。
また、窓のカーテンや布団など寝具類も忘れてはいけません。こういう生活用具を一つひとつ数えると、さらに費用がかかります。
入居するだけで、引っ越しの移動や運搬の料金、入居する手続きなどの料金、生活に必要な物品の料金、など総計すると家賃6ヶ月分か、それ以上がかかるとみておきましょう。
これを考えていないと、入学することになってから無理やり用意しなければいけなくなり、入学後はどうやって無理やりに用意した金額を返していくかで一杯いっぱいになります。
<生活費も少しはかかる>
何と言っても、一人暮らしをするには生活費がかかります。賃貸物件の費用だけでも、東京よりは2〜5万円くらい安いものの、当然に家賃はかかります。
1ヶ月あたりの一人暮らしの学生の支出は約12万5千円です。
また、地方の自然が豊かな田舎では人口が少ないため、電気代や都市ガスの料金は東京より若干ですが高めの傾向があります。
都会ではなくても、一人暮らしを始めるには、引っ越しの費用の他に、少しずつ買い足していくものが出てきます。また、家電品は一度に全部を揃えなくても、後から買う場合に必要な金額を作らなくてはいけません。
家賃以外でも、友だち付き合いでつい外食を続けていたり、高額でなくても自由な一人暮らしでよく買いものしてしまう、などで財布の中には小銭しか入っていなかった、ということも多々あります。
想像していた以上に出費が大きいというのは、上京する学生だけでなく田舎でも大半の学生が口にしています。
以上のように、少なからず経済負担は免れません。これに対処するには、アルバイトの他に奨学金を利用する方法もあります。
日本学生支援機構・学生生活調査結果
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/index.html
全国大学生活協同組合連合会・学生生活実態調査
https://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html
JEES奨学金
http://www.jees.or.jp/foundation/g-scholarship.htm
JASSO奨学金
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/
JBC・CSR基金
https://www.jbc-csr-fund.org/

公立鳥取環境大学(鳥取県)
田舎でも勉学が疎かになるの!?
都会の楽しい誘惑を排除して勉強しようと思って田舎の大学に来る人もいれば、ただのんびりと都会の喧騒から離れて気楽に一人暮らしをしたい、という人もいます。
学生生活の貴重な時間を有効に使い、勉強したり遊んだりアルバイトをするなどして生活力と自己管理の能力を高めて行ければ理想的な一人暮らしになります。
ところが勉強以外のところに時間をかけ過ぎて、大学の授業の単位を取得できないような事態も起こり得ます。
<アルバイトにハマることも>
田舎でも、勉学が疎かになる危惧を否定できません。
その理由として、「アルバイトに時間をかけ過ぎる」ことが挙げられます。自分でなるべく頑張り、親の負担を軽くしたいと思ったら、アルバイトをすることになります。
いくら田舎は都会より物価が安いといっても、実際の生活の中でどうやって資金繰りをするかは学生生活の大きな課題です。そこは、アルバイトや奨学金で何とかするしかありません。
田舎ではアルバイトの種類が都会よりかなり限られてきますが、アルバイト先で良いこともあります。
たとえば人間関係が上手く行き、アルバイトが心地よく楽しい社会経験となり、お金も稼げる、大学の先輩がいて色々と面倒をみてもらえて助かる、など良いことも起こり得ます。
そこから、アルバイトにハマってしまい、本分の学業が疎かになる可能性は十分に考えられます。

西九州大学(佐賀県)
まとめ
今回は、「田舎の大学を選ぶ理由」について考えてみました。
- 騒がしい都会から離れたい
- 誘惑を遮断して学業に取り組める
- 安全な土地で生活できる
の3点が田舎の大学を選ぶ主な理由です。
また、大学を選ぶ理由とは異なりますが、都会よりも物価が安い点で地方から上京して大きな経済負担を強いられるようなことが少ないのもメリットです。
ただし、どこに行こうとも少なからず費用はかかることや、アルバイトにハマり過ぎたら学業に専念できなくなることも覚えておきましょう。
以上を参考に、田舎の大学で、良き思い出となる大学生活を送ってください。