歴史のある私立大学には、「看板学部」と呼ばれる学部があります。
大学の設立当初から長い年月をかけて築かれた伝統と実績はモチロンですが、その大学の中でも人気があり、入試の難易度も高く、世間からの評判も良い。当然に受験生で上位校以上を狙う人たちからは十分に認知されているような学部が該当します。
例えば、早稲田大学なら政治経済学部、慶應義塾大学なら経済学部、中央大学なら法学部、明治大学なら商学部、が代表的です。
「早慶」「MARCH」など歴史のある大学や大規模な大学、有名な大学には「看板学部」がつきものです。もし全ての学部が非常に優秀で甲乙つけ難い場合でも、その大学が創立された経緯や長年の歴史を紐解くと「看板学部」はだいたい決まってきます。
では東の「早慶」「MARCH」と並び称される西の「関関同立」はどうでしょうか。
今回は、有名私立大学の中でも西日本を代表する難関校の大学群である「関関同立」について、その「看板学部」はどこなのか、マナビバが調査します!
関関同立
関西大学の看板学部
<法学部>
関西大学は、「法学部」が看板学部です。
関西法律学校が前身である関西大学は、法学部が現在でも安定した人気と難易度を維持しています。設立以来130年もの歴史を誇ります。
近年では偏差値で外国語学部が頭抜けており、他にも受験生の志願者数では経済学部と商学部は例年人気があります。これらに加え、就職など社会的にも上々の評価で総合情報学部も注目されています。
大阪の大学らしい陽気でフレンドリーな校風は、端から見ると生真面目に勉強するイメージにあまり繋がらないようですが、実は勉強すべきことは疎かにせず、しっかりと勉強するのも関西大学の隠れた特徴です。
現実の関関同立の4大学で比べると最も合格しやすいと言われているのが関西大学ですが、そこはマンモス校で学生数が多いので同じ学部でも学力の個人差はあります。
大概は関関同立の中で複数の大学、複数の学部を受験する人たちが大勢いるため関西学院大学や立命館大学に相当する学力の持ち主も多数在籍します。特に法学部は関西大学でも勉学にいそしむ学生が思ったより多く、隠れた校風になっています。
法学部では、司法試験や公務員試験を目指す人が多いので就職率は他の学部ほど良くはありませんが、逆に言えば本当に司法試験や公務員試験を目指している人たちが結構いる、ということになります。
法学部の受験科目
試験の形式 | 受験科目 | 科目の詳細 |
---|---|---|
一般選抜試験 (3教科) | 3教科 /450点満点 | <必須2科目> ・国語(国語総合・現代文B・古典B):150点 ・外国語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):200点 <選択1科目>:100点 ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民:政治・経済:100点 ・数学(数I・数A・数II・数B):100点 (数Bは数列・ベクトル) |
一般選抜試験 (2教科・外国語検定利用) | 2教科 /250点 + 外国語検定 | <必須1科目> ・国語(国語総合・現代文B・古典B):150点 <選択1科目>:100点 ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民:政治・経済:100点 ・数学(数I・数A・数II・数B):100点 (数Bは数列・ベクトル) <外国語検定> ・出願資格保有者のみ有効 |
一般選抜試験 (3教科同一配点) | 3教科 /450点満点 | <必須2科目> ・国語(国語総合・現代文B・古典B):150点 ・外国語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):150点 <選択1科目>:150点 ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):150点 ・公民:政治・経済:150点 ・数学(数I・数A・数II・数B):150点 (数Bは数列・ベクトル) |
共通テスト利用 | 2~3教科 3~4科目 /300点満点 | <必須2科目> ・国語(近代以降の文章):100点 ・数学(数IA):100点 <選択1科目または2科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択):100点 ・理科:100点 基礎(物基・化基・生基・地学基)から2科目選択、 または発展(物・化・生・地学)から1科目選択 ・外国語:100点 (リスニング25点分を課す) ・数学(数ⅡB):100点 |
共通テスト利用 | 4教科 4~5科目 /800点満点 | <必須2科目> ・国語:200点 ・外国語:200点 (リスニング50点分を課す) <選択2科目または3科目>:200点 ・数学(数IA・数IIB):200点 ・地歴または公民:200点 (地歴は世界史B・日本史B・地理Bから選択) (公民は現社・倫理・政経・倫理政経から選択) ・理科:200点 (基礎:物基・化基・生基・地学基から2科目選択) または (発展:物・化・生・地学から1科目選択) |
共通テスト利用 | 5教科 6~7科目 /800点満点 | <必須4科目または5科目> ・国語(近代以降の文章):200点 ・数学(数IA・数ⅡB):200点 ・理科:100点 基礎(物基・化基・生基・地学基)から2科目選択、 または発展(物・化・生・地学)から1科目選択 ・外国語:200点 (リスニング50点分を課す) <選択1科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択):100点 |
共通テスト併用 (英語個別試験あり) | 1~2教科 2~3科目 + 個別試験 /計400点満点 | <必須1科目> ・数学(数IA):100点 <選択1科目または2科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択):100点 ・理科:100点 基礎(物基・化基・生基・地学基)から2科目選択、 または発展(物・化・生・地学)から1科目選択 ・数学(数ⅡB):100点 ・国語(近代以降の文章):100点 <個別試験> ・外国語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):200点 |
共通テスト併用 (小論文個別試験あり) | 1~2教科 2~3科目 + 個別試験 /計450点満点 | <必須1科目> ・数学(数IA):150点 <選択1科目または2科目>:150点 ・理科:150点 基礎(物基・化基・生基・地学基)から2科目選択、 または発展(物・化・生・地学)から1科目選択 ・数学(数ⅡB):150点 ・国語(近代以降の文章):150点 ・外国語:150点 (リスニング37.5点分を課す) <個別試験> ・小論文:150 (現代社会、政治・経済を題材として出題) |
共通テスト利用 (後期) | 3教科 3~4科目 /800点満点 | <選択3科目※> ・国語:200点 ・外国語(英・仏・独・中・韓から1):200点 (リスニング50点分を課す) ・地歴または公民:200点 (地歴は世界史B・日本史B・地理Bから選択) (公民は現社・倫理・政経・倫理政経から選択) ・数学または理科:200点 (数学は数IA・数IIBから選択) (理科は物基・化基・生基・地学基から2科目選択、 または物・化・生・地学から1科目選択) |
※共通テスト利用(後期)の選択3科目は、最高得点の1科目を2倍の400点満点で換算
※入試の詳細は、大学のホームページでご確認ください。
(https://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/admission/)
関西学院大学の看板学部
<経済学部>
関西学院大学は、「経済学部」が看板学部です。
関西学院大学には、専門学校令によって1912年に設置された高等学部の文科と商科がありました。そのうち商科が「経済学部」と「商学部」になりました。
経済学部も商学部も同じくらいの伝統と実績があるため、両学部とも元々同じ商科として「看板学部」と言えますが、今回は1学部のみ選出し、「経済学部」とします。
経済学部では2021年度からコースはなくなり、幅広い経済学の分野を横断的に学べるようになっています。2年次からプレ演習として自由に科目を選択でき、3年次からはゼミで専門分野を追求します。そして、4年次では卒論の執筆に取り掛かります。
また、商学部では企業が講義を提供する「寄附講座」をはじめ、ビジネスの第一線で活躍している経営者や企業人が教壇に上がり、国際情勢をはじめとする様々な産業のトピックスについて講義します。
両学部とも、長年にわたり西日本の私学から最も経済界に優秀な人材を輩出する機関として認知されています。
この両学部とは別に、社会学部も大変な実績と伝統を誇る名門学部です。経済学部や商学部と並んで看板学部に推す声も多数あります。
社会学部の源流である文科では日本最古の社会学科が設置されています。この点で社会学部を「看板学部」としても全く不思議ではありません。
その他には国際学部が台頭してきています。単に難易度だけなら国際学部がやや上回っており、時代の流れもあって人気学部になっています。
どの学部の学生も、兵庫の大学のオシャレ感を醸し出しているのは共通のようです。
経済学部の受験科目
試験の形式 | 受験科目 | 科目の詳細 |
---|---|---|
一般選抜試験 (経済学部・文系型) | 3教科 /550点満点 | <必須2科目> ・国語(国語総合・現代文B・古典B):200点 ・外国語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):200点 <選択1科目>:150点 ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):150点 ・数学(数I・数A・数II・数B):150点 (数Bは数列・ベクトル) |
一般選抜試験 (経済学部・理系型) | 3教科 /550点満点 | ・数学(数I・数A・数II・数B・数III):200点 (数Bは数列・ベクトル) ・理科:150点 「物基・物」・「化基・化」・「生基・生」から1つを選択 ・英語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):200点 |
一般選抜試験 (傾斜配点型) | 3教科 /600点満点 | <必須2科目> ・国語(国語総合・現代文B・古典B):100点 (漢文を除く)(100) ・英語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):300点 <選択1科目>:200点 ・地歴(世B・日Bから選択):200点 ・数学(数I・数A・数II・数B):200点 (数Bは数列・ベクトル) |
一般選抜試験 (均等配点型) | 3教科 /600点満点 | <必須2科目> 国語(国語総合・現代文B・古典B):200点 (漢文を除く)(100) ・英語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II):200点 <選択1科目>:200点 ・地歴(世B・日Bから選択):200点 ・数学(数I・数A・数II・数B):200点 |
一般選抜試験 (英数型) | 2教科 /400点満点 | ・数学(数I・数A・数II・数B):200点 (数Bは数列・ベクトル) ・英語(コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表 現I・英語表現II):200点 |
共通テスト利用 | 5~6 教科 7~8科目 /900点満点 | ・国語:200点 ・数学(数IA必須,数IIB・簿記・情報から1、計2科目):200点 ・理科※(物基・化基・生基・地学基から2、または物・化・生・地学から1:100点 ・外国語(英・独・仏・中・韓から1):200点※ ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択):100点 |
共通テスト利用 | 4教科 5~6科目 /700点満点 | <必須3科目> ・国語:200点※ ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから2):200点 ・外国語(英・独・仏・中・韓から1):200点※ <選択1科目>:100点 ・地歴(世A・日A・地理A・世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択:100点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):100点 ※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択 [外検]英語資格・検定試験利用(出願資格)では国100点、高得点科目100点、英300点の500点満点 |
共通テスト利用 | 3教科 3~4科目 /600点満点 | <必須2科目> ・国語:200点※ ・英語:200点※ <選択1科目>:200点 ・地歴(世A・日A・地理A・世B・日B・地理Bから選択):200点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択:200点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):200点 ※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択 ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから2):200点 |
共通テスト利用 | 3~4教科 4~5科目 /500点満点 | <必須1科目> ・英語:200点※ <選択3科目>:300点 ・国語:100点 ・地歴(世A・日A・地理A・世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択:100点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):100点 ※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択 ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから2):200点 ※理科は、「基礎2科目」「発展1科目」「基礎2+発展1科目」「発展2科目」のいずれも可 |
共通テスト併用 (個別試験あり) | 2教科 2~3科目 + 個別試験 /計450点満点 | <必須1科目> ・国語※:150点 <選択1科目>:100点 ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから2):100点 ・地歴(世A・日A・地理A・世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択:100点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):100点 ※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択 ※理科は、「基礎2科目」「発展1科目」「基礎2+発展1科目」「発展2科目」のいずれも可 <個別試験> ・英語(コミュ英Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英表Ⅰ・Ⅱ):200点 |
共通テスト併用 (個別試験あり) | 2教科 2~3科目 + 個別試験 /計450点満点 | <必須1科目> ・英語:150点 (リスニング30点分を課す) <選択1科目>:100点 ・地歴(世A・日A・地理A・世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・倫理政経から選択:100点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):100点 ※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択 ※理科は、「基礎2科目」「発展1科目」「基礎2+発展1科目」「発展2科目」のいずれも可 ・国語:100点※ <個別試験> ・数学(数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数B):200点 (数Bは数列・ベクトル) |
共通テスト利用 | 2~3教科 3~4科目 /300点満点 | <必須1科目> ・英語:100点 (リスニング20点分を課す) <選択2科目>:200点 ・国語:100点※ ・地歴(世B・日B・地理Bから選択):100点 ・公民(現社・倫理・政経・「倫理・政経」から選択):100点 ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから選択):100点 ・理科(物基・化基・生基・地学基・物・化・生・地学から選択):100点 ※理科は、「基礎2科目」「発展1科目」「基礎2+発展1科目」「発展2科目」のいずれも可 |
共通テスト利用 (英数3科目型) | 2教科 3科目 /300点満点 | ・数学(数I・数IA・数II・数IIBから2):200点 ・英語:100点 (リスニングを20点分課す) |
共通テスト利用 | 教科科目 /点満点 | ・国語:200点 ・外国語※(リスニングあり):200点 ・数学:数IA必須・数IIB・簿記・情報から1:200点 ・地歴または公民:100点 (地歴は世界史B・日本史B・地理Bから選択) (公民は現社・倫理・政経・倫理政経から選択) ・理科:100点 (基礎:物基・化基・生基・地学基から2科目選択) または (発展:物・化・生・地学から1科目選択) |
※共通テスト利用の外国語は、40点分のリスニングを課す
※共通テスト利用の国語は古文と漢文のうち高得点を採用
※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択
※入試の詳細は、大学のホームページでご確認ください。
(https://www.kwansei.ac.jp/admissions/index.html)
同志社大学の看板学部
<文学部>
同志社大学は、「文学部」が看板学部です。
同志社大学は明治8年(1875年)、新島襄が京都に創立した同志社英学校が前身です。東京の上智大学、青山学院大学、立教大学などと同様に英語を学ぶ学校としてスタートしています。
そのような成り立ちからすれば文学部の英文科を「看板学部」とするのが妥当です。これに続き、歴史の深い神学部も同志社大学を体現する学部として見られます。このあたりは難易度とはまた違ってくるかもしれません。
ただし、同志社大学はほぼ全ての学部が難関です。難易度で見ても数年ごとに最難関の学部が入れ替わっています。また人気が最上位の学部も数年間で変わったりします。
そこは、歴史と伝統で早稲田大学、慶應義塾大学に並ぶ日本三大私学の一つだけあります。他の関関同立とは違い、トップの学部は明確に決まっていません。
そういう学部ごとの評価もそれぞれが高い同志社大学は、ネットなどを見ると「看板学部」がサイトや書き込む人によってマチマチです。
近年では、 全14学部のうち、法学部、商学部、理工学部、経済学部の評価が高いようです。特に理工学部の偏差値はトップで、西日本全体の私立大学の中でも頭ひとつ抜けています。
さらに、最も難易度が高いと言われているのがグローバル地域文化学部と社会学部になります。 またグローバル・コミュニケーション学部の難易度も上がりました。3学部とも場合によっては早慶上智に匹敵するレベルと言われるほどです。
それでも社会学部は文学部より改組されたもので、まだ歴史が浅い方です。 社会福祉学科は1931年、大学としては日本最初の社会事業学専攻として創設されています。1950年には日本最初の大学院社会福祉学専攻を設置した歴史もありますが、看板学部と呼ぶまでではありません。
全体に同志社大学は国公立大学と併願する受験生が多いためか、そもそもの学習レベルが高い学生が多いようです。
文学部英文科の受験科目
試験の形式 | 受験科目 | 科目の詳細 |
---|---|---|
一般選抜試験 (全学部文系、および学部個別) | 3教科 /500点満点 | <必須2科目> ・国語:150点 ・英語:200点※ <選択1科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史Bから選択):150 ・公民(政治・経済):150 ・数学※:(数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B):150 (※数Bは数列・ベクトル) |
文学部英文科 (A方式) | 共通テスト1教科 + 個別試験 /300点満点 | <共通テスト> ・英語(リスニングあり):200点 <個別試験> ・英語と日本語による口頭試問:100点 |
文学部英文科 (B方式) | 共通テスト3教科 /500点満点 | <必須2科目> ・国語:200点 ・英語(リスニングあり):200点 <選択1科目または2科目※>:100点 ・地歴:世界史B・日本史B・地理Bから選択 ・公民:現社・倫理・政経・倫理政経から選択 ・理科:基礎(物基・化基・生基・地学基)から2科目選択 または 発展(物・化・生・地学)から1科目選択 |
※全学部文系の英語は、法学部と経済学部では79点以下の場合は不合格。
※入試の詳細は、大学のホームページでご確認ください。
(https://www.doshisha.ac.jp/admissions_undergrad/general_application/index.html)
立命館大学の看板学部
<法学部>
立命館大学は、「法学部」が看板学部です。
西園寺公望が創立した京都法政学校が立命館大学の源流です。当時の京都には同志社英学校(現在の同志社大学)がありましたが、法律や行政を専門に学ぶ学校がありませんでした。
この経緯から、立命館大学が京都で法学をメインに勉強する学校の先駆的存在であることがわかります。看板学部は「法学部」となります。
近年は、経営学部や映像学部の人気が高く、特に映像学部は現在でも人気上昇中です。昔では想像しにくかった学部ですが、映像の制作と解析について研究する学部がそう珍しくない時代に入ってきています。立命館大学の有力な学部になり得ます。
また、偏差値でも就職の良さでも理工学部と医療系の薬学部は安定した人気があります。外国語に力を入れる国際関係学部も成長株です。
気がつけば立命館大学は16学部に増えています。これは東の日本大学と同じ学部数で、東海大学に次いで全国で2番目に多い学部数です。さらに、全ての学部で入試の難易度が底上げされ、大学全体がレベルアップした印象を持たれています。
これらの点で立命館大学は、関関同立の4大学の中で最も大学改革に成功したと言われています。有望な学部が幾つもあり、人気の高さや志願者数、難易度など別の視点で見れば法学部以外にも「看板学部」に推される学部が今後も出てくると思われます。
しかしながら、総じてそれ以上に伝統と実績のある法学部が立命館大学の「看板学部」であり、そこは簡単には動かないでしょう。
学生の印象では、関関同立の中では最も大人しいイメージで見られることが多く、また入試の形式もバラエティで全国から受験生が集まることも手伝って、最も関西色の薄い校風になりつつあります。
法学部の受験科目
試験の形式 | 受験科目 | 科目の詳細 |
---|---|---|
一般選抜試験 (全学統一文系) | 3教科 /320点満点 | <必須2科目> ・国語(漢文の独立問題は出題せず):100点 ・英語:120点 <選択1科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択) ・公民:政治・経済 ・数学:数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B (数Bは数列・ベクトル) |
一般選抜試験 (法学部) | 3教科 /400点満点 | <必須2科目> ・国語(漢文の独立問題は出題せず):150点 ・英語:150点 <選択1科目>:100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択) ・公民:政治・経済 ・数学:数Ⅰ・数A・数Ⅱ・数B (数Bは数列・ベクトル) |
共通テスト利用 (法学部) | 5~6教科 7~8科目 /900点満点 | <必須3科目> ・国語(近代以降の文章):200点 ・外国語※:200点※ ・数学:数IA・数IIB:200点 <選択3科目>:300点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択) ・公民:(現社・政経・倫理・倫理政経から選択) ・理科:基礎(物基・化基・生基・地学基)から 2科目選択、または 発展(物・化・生・地学)から1科目選択 |
共通テスト利用 (法学部) | 4~5教科 5~6科目 /700点満点 | <必須3科目> ・国語(近代以降の文章):200点 ・外国語※:200点※ <選択3科目>:300点 ・数学(数IA・数IIBから選択):100点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択) ・公民:(現社・政経・倫理・倫理政経から選択) ・理科:基礎(物基・化基・生基・地学基)から 2科目選択、または発展(物・化・生・地学) から1科目選択 |
共通テスト利用 (法学部) | 3~4教科 /600点満点 | <必須2科目> ・国語:200点 ・外国語※(リスニングあり):200点※ <選択1科目>:200点 ・数学(数IA・数IIBから選択):200点 ・地歴(世界史B・日本史B・地理Bから選択):200点 ・公民(現社・政経・倫理・倫理政経から選択):200点 ・理科:200点 (基礎:物基・化基・生基・地学基から2科目選択) または(発展:物・化・生・地学から1科目選択) |
※外国語は「リーデング・リスニング」または「リーディングのみ」:40点のうち高得点を採用。
※外国語はドイツ語・フランス語・中国語の選択も可
※入試の詳細は、大学のホームページでご確認ください。
(https://ritsnet.ritsumei.jp/)
「看板学部」と並ぶ学部はあるのか!?
関関同立の「看板学部」は、どれも長い歴史と伝統があり、社会的な評価も高いことで知られています。
では、他の学部はどうなのでしょうか。
実は、「看板学部」に負けず劣らずの人気学部や難関学部が各大学にあります。
では、「看板学部」に並ぶ評価の学部を見ていきましょう。
<関西大学:外国語学部>
関西大学は、「外国語学部」が人気、難易度ともにNo.1に上がってきました。
近年の国際系の学部の中でも、特に実践的な外国語の習得を目指すのが関西大学の外国語学部です。講義は基本的に全て英語です。言語教育や翻訳学、異文化など幅広く学べます。また、一年次は他学部でも取ることのできる様々な授業も受けられます。
また、英語だけでなく、もう1言語を副専攻として学びます。主専攻を中国語にすることも可能です。
海外への留学を経験しながら4年間で卒業できるのも魅力です。その代わり、出される課題の量はやや多いようです。外国語習得に懸ける本気度が試されます。
関関同立の4大学の中では比較的入試が易しめと言われる関西大学ですが、この外国語学部は入試から卒業まで決して易しくはないと思っておきましょう。
<関西学院大学:国際学部>
関西学院大学は、「国際学部」が最も難易度が高く、校舎も新しくキレイなため人気も集まっています。
国際的視野と語学力の両方が身につくよう、1週間のほぼ毎日、言語運用能力を鍛えるための授業が入っています。留学も必須です。
また、名称は国際学部であるものの、希望すれば言語や文化とは別の授業を幾つも受けることが可能です。幅広い教養を獲得できます。
学内のWiFiやコンセント、PCルーム、自習室、学部用の視聴覚室など常設の設備も新しく、自由に使えます。広い談話スペースのラウンジがあり、留学生の集まるグローバルラウンジもあります。
このような学習環境を見ても、関西学院大学が国際学部に力を入れているのがわかります。
<同志社大学:社会学部>
同志社大学の「社会学部」は、設立が2005年で学内でもかなり新しい学部です。
以前は文学部に社会学科がありましたが、それが社会学部へと改組されました。時代の要請に応えて単独の社会学部となり、社会学科・社会福祉学科・メディア学科・産業関係学科・教育福祉学科の5つの学科で形成されています。
特に社会学科は人気が高く、入学後から卒業まで幅広い範囲を様々な観点と自由な発想で研究できるのが特徴です。
同志社大学の入試問題は全学部同じで複数日程あります。そのため、必然的に合格最低点が最も高い学部が同志社大学の中で最も難易度が高い学部ということになります。その合格最低点が最も高い学部が社会学部と言われています。
受験倍率も5倍前後で、その人気の高さがうかがえます。
<立命館大学:経営学部>
立命館大学は、大阪の茨木にキャンパスを移転した「経営学部」の受験倍率が高まっています。
特に国際経営学科は、他の学部・学科に比べて英語の授業が多く、英語力を上げたい人にはオススメです。国際感覚と経営の勉強を並行して学んでいけるカリキュラムになっています。
単に難易度だけなら国際関係学部が最上位で、現在の流行である国際的な政治経済について学べます。また、語学力ならグローバル教養学部が断トツで、入学前から準1級レベル以上が求められています。
これらに対して経営学部経営学科は、オーソドックスな経営学と最新の経営情報を学びます。ある意味で現実的な卒業後の仕事を意識した内容です。これに加えて、国際経営学科は語学力を磨きつつ実践的な経営感覚を身につけようという狙いがあります。
2015年に開設された大阪いばらきキャンパスに経営学部を移転させたのは理由として、大都市の大阪や神戸から学生をもっと集めようという意図があるのは言わずもがな、です。立命館大学が経営学部を押し上げようとしていることがわかります。
まとめ
今回は、「関関同立の看板学部とは?大学別にマナビバ調査!」のテーマで書き進めました。
関関同立の「看板学部」である、
- 関西大学:法学部
- 関西学院大学:経済学部
- 同志社大学:文学部
- 立命館大学:法学部
をご紹介しました。
いずれも創設時からの大学のメイン学部として長い伝統と実績を誇ります。
これに加えて、近年の時代のニーズに応えるべく登場し、高い偏差値と競争倍率で注目される新たな学部が出てきています。
また、関関同立は大規模なだけに、古くからの看板学部に匹敵する評価と根強い人気、安定した難易度の名門学部も幾つかあります。
その中で取り上げたのは、
- 関西大学:外国語学部
- 関西学院大学:国際学部
- 同志社大学:社会部
- 立命館大学:経営学部
以上の4つの学部です。
難易度で見ると最も高い学部や、昔からずっと人気がある学部など、見る視点によってマチマチで、必ずしもこの学部だけ、というものではありません。
むしろ1学部に限定してトップの学部を選ぶことに大きな意味はなく、受験生にとって広い視野で情報収集するほうが賢明です。
ただ、「看板学部」には大学を背負ってきた重みがあります。無理に看板学部に行くのではなく、自分の目指す将来像へ近づくのに有意義な学部がその看板学部ならば、目標にして受験勉強を進めてはいかがでしょうか。