みなさんは「模擬試験(模試)」を受験したことはありますか?「北海道学力コンクール」は、特定の塾に限定されず、全道の多数の塾や個人が参加できる「公開模擬試験」とよばれるものですが、このような模試は多くの県で実施されており、受験勉強を進める上で重要な位置を占めています。公開模擬試験を受験することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは5つのメリットをご紹介します。
例えば、A君が100点満点のテストで70点だったとします・このテストの平均点が40点だったとすると、A君は優秀な成績といえます。反対に平均点が80点の簡単なテストならA君は反省して勉強しなおす必要があります。
このように実は「点数」を見ただけでは、全体の中の自分の位置はわかりません。そこで「偏差値(SS)」という数値が登場します。
SSを算出するには複雑な計算が必要ですが、道コンなどの模試では、コンピューターが計算した偏差値が個人成績票に印字されます。みなさんは、その見方を覚えておきましょう。図のように、もし自分が「SS50」であれば、その模試の受験者全員の中で平均の位置にいることになります。またSS40は下位から、60は上位から、それぞれ約15%の位置です。
公立高入試や北海道学力コンクールのような300点満点のテストでは、得点が4~5点上がるとSSが1上がります。(問題内容や受験生のレベルによって異なります。)
「A社の模試ではSS54だったのに、B社の模試ではSS46といわれた。どちらかが間違っているのでは?」という質問がよくあります。そういう人はもう一度上記の説明をよく読んでみてください。
SSはあくまでも、その試験を受験した生徒全体の中での自分の位置を示したものです。試験が異なり、受験した人も違えば、SSが全然違う値になるのは当然で、どちらも間違いではありません。
このように、自分の位置を示す重要な数値である偏差値ですが、学校のテストの偏差値は、あくまでも学校内での自分の位置を示すものにすぎません。その意味で公開模擬試験、それもできるだけ受験生の多い模擬試験を受験して、その偏差値で北海道全体の中の自分の位置を確かめることがとても重要です。
公開模擬試験の多くは、1年に何回も実施されます。各回の模試を休まずに参加することにより、自分の学力の移り変わりが把握できます。
北海道学力コンクールでは、過去に受験した時の得点や偏差値、合格可能性などの情報が累積して成績票に表示されているので、成績推移が明確にわかります。
また、受験勉強では定期的に実力を測って学習目標を設定し、計画的に取り組む、という繰り返しが重要です。学校の定期テストは範囲が狭く、入試に向けての目標設定には不十分です。
その点で公開模試は最適で、長い受験勉強にリズムをもたらす利点があります。一度良かったからと安心せず、また、一度悪かったからといって落胆せずに取り組むことが大切です。
公開模擬試験を受験する意義は「学力の測定」だけではありません。
実は模試を受けること自体が「学力アップ」に直結します。模試に向けてあらかじめが学習に取り組むことによって、学習事項の総復習や整理ができるからです。
多くの模試では、事前に出題範囲表が公開されますので、それとともに毎日こつこつ勉強に励みましょう。
また、当日間違ってしまった問題も放置せず、試験後に配布される解答・解説を読んでしっかり復習しましょう。わからなかった点が明確になり、弱点克服に繋がります。
しっかり学習して理解したつもりなのに、テストになると点がとれないという声をよく聞きます。「理解する」ことばかりに気を取られ、得た知識を串して問題を解く、という「得点力」を身につける訓練が不足しているためです。
模擬試験はその名の通り、実際の入試を模して問題が作成されていますので、問題の解法をマスターし、得点力を身につける絶好の機会といえます。
中学入試や高校入試は、ほとんどの受験生にとって生まれて初めての経験です。準備万端と思っていても本番になると緊張して、本来の実力が発揮できなかった、というケースは少なくありません。
公開模擬試験は問題の内容はもちろん、試験時間なども入試に準じています。また、それを塾の教室や公開会場で受験することによって、入試本番に近い雰囲気が体験でき、当日の大きな自信につながるはずです。