中学受験では、12月下旬から1月校の出願受け付けが始まります。締め切りギリギリに提出しようと思うと、意外と書くのに手間取ってしまい入念な準備ができなってしまいます。
そうならないためにも、出願書類はなるべく早めに準備しておきましょう。出願したらとは入試本番を迎えるのみになるのでゆっくり備えられます。
そこで願書志望動機・志望理由の書き方を解説します。最後に例文も掲載するので参考にしてください。
まずは願書を用意しよう
まずは出願するにあたって、願書を用意しないと始まりません。願書は受験する可能性がある学校は全て持っていて良いでしょう。
結果として受験しないとしても、ギリギリに願書を手に入れるというのはリスクが高く、不安や焦りに繋がってしまうので、予め多く用意しましょう。願書を書くのはしっかり受験する学校が決まってからで大丈夫です。
また、学校によっては内申書(調査書)の提出も必要になるため、小学校の先生に作成を依頼をします。内申書の制作には手間がかかるため、予め小学校の担任の先生には中学受験をすることを把握しておいてもらうと良いでしょう。
中学受験の願書の志望動機とは?
受験する中学校が決まって、願書を記入するのですが、悩んでしまうのが「志望動機・志望理由」です。
志望理由に関して面倒だからと複数受験する学校全て同じ内容を使い回す人もいらっしゃいますが、それは控えた方が良いでしょう。
また面接を課す学校の場合、願書の内容と本人の発言があまりにも食い違っているのも、学校側には良くない印象を与えます。志望理由については家族でしっかり話し合って、コンセンサスを取っておくようにしましょう。
志望動機を書く理由を考える
志望動機とは、志望しようと考えたきっかけのことです。
願書の志望動機・志望理由の欄には、その学校のどこに魅力を感じたのか、なぜその学校に通わせたいのかをしっかりと明記するようにしてください。どんな学校でも通用するような、ありきたりな内容ではなく、その学校の校風や特徴をとらえた内容にするのがお勧めです。文化祭・説明会などの印象を書き添えておくと、なおよいと思います。
また、書く際にどうして中学校側が、入学希望者に志望動機を尋ねるかの理由を把握しておくと書きやすくなります。その理由は以下の二つです。
その中学校に入学したい理由が知りたいから
私立中学校は公立とは異なり、各学校で独自の方針・理念のもと運営されています。そのため、大学進学実績が良い学校や育ちの良い生徒が多いなど学校によってそれぞれ特色があります。
保護者はそのような特色を魅力として、子供をその私立中学校に通わせたいと考えているかと思われます。
そこで、学校側は数ある私立中学校の中からどうしてうちに入りたいのか聞くことで、学校の運営方針や理念にあってるかを確かめたいと思っているのです。
校風になじめるかどうかの確認をしたいから
私立の中高一貫校の場合、一度授業に置いていかれるとその後卒業まで最大6年も置いてけぼりにされてしまいます。置いてけぼりのまま、学力が周りと比べて落ちてしまうと、進級できない、最悪退学になってしまいかねません。
また、校風と生徒がマッチしていない、学校の方針に従わない場合は学校を辞めざるを得なくなってしまいます。そこで、学校側は子供の個性や意欲が学校風土に合っているかどうかを志望動機を判断材料にしているのです。
北海道の私立中学校の場合
北海道で中学受験する場合の参考として等が偏差値60を超える上位校を軽く紹介します。
函館ラ・サール中学校
函館ラ・サール中学校は、キリスト教の思想に基づいた中高一貫の男子校です。倫理宗教や土曜も4時間授業をするなど、特色のある教育を行っていて、遠方からの生徒も学生寮に入って通学可能です。
立命館慶祥中学校
英語教育に重点を置いており、グローバルな視点や行動力を持つ生徒を目標に様々な特色のある教育を行っています。難関校への進学を目指す「一貫SPコース」では、深度の深い応用力の身につく学習を行います。
北嶺中学校
北嶺中学校では主要5科目の授業時間数が公立中学校よりも、1.6倍、土曜にも4時間の授業が行われます。
学校の敷地内にある寮に入る「青雲寮コース」という難関大学の受験を目指すコースもあります。
中学受験の願書の志望動機の書き方
中学受験の願書に志望動機・志望理由を書く理由というものを踏まえたら、次は書く内容もしっかりポイントを抑えておく必要があります。
それでは、実際にどのように志望動機を書くのか具体的に解説をしていきたいと思います。
願書に記入する志望動機の内容を決める
志望動機・理由を書く前に、内容をしっかり書きましょう。いろんな理由があってのことかと思いますが、できるだけ絞り、2点ほどにしておくと良いでしょう。
代表的な志望動機は以下の通りです。
- 校風・在校生の雰囲気
- 教育の理念・方針
- 部活動、委員会活動、各種課外活動などの活動
- 学校設備
- 立地
- 授業のカリキュラム
- 卒業後の進路、大学合格実績
志望動機が決まったら、実際に書く文章を考えていきます。
中学受験の願書に書く志望動機は構成を考える
願書に書く志望動機。ただ思いついた通りに書いてしまっては何を伝えたいのかがわからない文章になってしまいます。
そこで、おすすめなのが以下の3部構成で志望動機を書くことです。
1.結論:学校に入りたい理由を簡潔に書く
2.根拠:どうしてその結論に至ったかを書く
3.目標:入学後の目標をイメージして書く
それでは部ごとに解説していきます。
①結論:学校に入りたい理由を簡潔に
最初に、先ほど決めた志望動機を簡潔に書くと読み手に伝わりやすくなります。
最後に結論を書いた場合は途中までなんのことについて書いているのかあやふやなまま読み進めてしまうので、内容が入りにくい文章になってしまいます。
例)
・私が貴校を志願する理由は二つあります。一つ目は~だからです。
・私共が貴校を志望した理由は、~からです。
②根拠:どうしてその結論に至ったかを書く
次は、その結論に至った根拠、その学校を志望しようと考えたきっかけを具体的に書きましょう。
ここが一番長い文章になるので、5W1Hを意識してわかりやすい文章に、指示語を使いすぎないように心がけましょう。
「他の学校でも良いのでは?」と思われないように、学校説明会やオープンスクール、授業体験、文化祭などに参加していた場合は、そこで感じたことを詳しく書きましょう。
オリジナルになるエピソードがない場合は、子供の将来の夢や理想の教育などが学校にあっているという内容もおすすめです。
③目標:入学後の目標をイメージして書く
最後に締めの文章となる、その中学校に入ったらどのようなことがしたいのかという目標を書きます。
学校に関係のないことではなく、学校との関わりが強く、先ほどの結論と関係のある内容で書くことが大事です。
願書の志望動機を書く際に抑えるポイント
内容と構成が決まったらあとは文章を実際に書いていきますが、文章を書く上で注意しておくべきポイントがあるので紹介します。
話を誇張しても嘘の内容はかかない
志望動機では、好印象を残すことが大切です。そのために多少話を盛るのは構いませんが、まったく事実にない嘘を作り上げて書いてしまうのはよくありません。
そのため、事実をを素直に書くようにすることが大事です。しかし、素直に書き過ぎてしまうとどこにでもある特徴のない文章になってしまってはいけません。
自分なりの言葉で書く
志望動機を読む人は何百もの志望動機を読まれるので、ありきたりな志望動機ではなんの印象も残らない志望動機になってしまいます。
そのため、自分だけのオリジナルの志望動機を書くことが大事になります。オリジナルと言われても、最初は難しいかもしれませんが、何度も書いて練習していると「自分だけの志望動機」が書けるようになります。
塾に通っている場合は塾の先生に採点してもらうと良いでしょう。
【例文】中学受験の志望動機を保護者が書く場合と子供が書く場合
中学受験の願書を記入するのは親が書いても子供が書いても問題ありません。
保護者が書く場合と子供が書く場合とで書くべき言葉遣いなどが変わったり、意識するべきポイントがあります。
保護者が書く場合
保護者が志望動機を書く場合は、自分の希望を全面に出さずに中学受験の主役はあくまでも子供であることを踏まえ、我が子を見守るというスタンスで書きましょう。そして言葉遣いもできるだけ丁寧かつ格式高い文章に仕上げるのがポイントです。
私共が貴校を志望した理由は、校風や学習方針に賛同し、息子の成長を後押ししてくださると期待したからです。また、息子も貴校の文化祭、部活体験に参加させていただいた際に、在校生、先生方が親切で明るかった点に魅力を感じ、貴校で学校生活を送ることを希望しています。貴校をご卒業になられた著名な方々がそれぞれの道で優秀な実績を収められていると拝聴し、是非息子にも貴校での学校生活を過ごし、明るい将来になることを切望するところです。
子供が書く場合
子供が志望動機を書く場合は、保護者よりくだけた言葉遣いで、常識があってまとまりのある素直な文章で書きましょう。保護者が手直しする場合は論理的におかしくないか、誤字脱字がないかを確認するくらいで良いと思います。
「私が貴校を志願する理由は、校風、在校生の方々の雰囲気に惹かれたからです。文化祭に行った際、とても活気があり、みんなが楽しそうに過ごしている、先生方の指導が行き届いていると感じました。僕も先輩の方々と同じように楽しく過ごせる中学校に通い、サッカー部で広いグラウンドを駆け抜けたいとです。僕はそんな、〇〇中学校にぜひとも入学したいです。」
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